結論から言うと、ドライヘッドスパが直接的な原因で死亡事故が起こる可能性は極めて低いと言えます。
これまで、ドライヘッドスパを受けたことによる死亡事故は、国内では報告されていません。

しかし、だからといって「絶対に安全」と言い切れるわけではありません。
施術中の体調変化や、持病との関連性など、いくつかの要因が重なることで、重大な事態に繋がる可能性はゼロではないのです。

例えば、過去には、マッサージを受けた後に脳卒中を発症した事例が報告されています。
これは、「美容院脳卒中症候群」と呼ばれるもので、首の血管が圧迫されることで脳への血流が阻害され、めまいや吐き気、意識障害などを引き起こすことがあります。
この症候群は、首が長時間不自然な角度で固定された状態が続くことで発症リスクが高まると言われています。
美容院でのシャンプーやマッサージなどでも起こりうるものですが、ドライヘッドスパでも、施術の体勢や施術者の技術によっては、同様のリスクが考えられます。

また、極めて稀なケースとして、ドライヘッドスパの施術中に強い刺激が加わることで、脳震盪や頸椎損傷などを引き起こす可能性も否定できません。
特に、首や頭部に疾患がある方や、骨粗鬆症の方などは注意が必要です。
重要なのは、ドライヘッドスパのリスクを正しく理解し、過度に不安になることなく、必要な対策を講じることです。

死亡まで至る危険性は極めて低いにせよ、ドライヘッドスパを受ける際に、より注意が必要な人がいます。
代表的な例は以下の通りです。

1.持病のある人
高血圧、心臓病、脳血管疾患、糖尿病、てんかん、骨粗鬆症などの持病がある方は、ドライヘッドスパを受ける前に必ず医師に相談しましょう。
持病によっては、施術が禁忌となる場合や、施術内容を調整する必要がある場合があります。
例えば、高血圧の方は、強い刺激によって血圧が急上昇する可能性があります。

また、心臓病の方は、施術中の体勢や刺激によって心臓に負担がかかる可能性があります。

2.妊娠中の人
妊娠中は、ホルモンバランスの変化や体調の変化が起こりやすいため、ドライヘッドスパを受ける際には注意が必要です。
特に、妊娠初期は流産の危険性が高まる時期ですので、施術を控えた方が安全です。

妊娠後期も、お腹が大きくなることで、仰向けに寝ることが難しくなったり、血圧が変動しやすくなったりするため、注意が必要です。
安定期に入ったとしても、長時間の施術や強い刺激は避けるべきでしょう。

3.高齢者
高齢者は、体力や免疫力が低下している場合があり、ドライヘッドスパによる身体への負担が大きくなる可能性があります。
また、持病を抱えている方も多いため、事前に医師に相談することをおすすめします。
施術を受ける際には、体調に合わせて施術時間や強さを調整してもらうようにしましょう。

4.その他
頭皮に傷や炎症がある方、飲酒後の方、体調不良の方、精神的に不安定な方なども、ドライヘッドスパを控えた方が良いでしょう。